眼科 外来担当一覧


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       https://www.med.shimane-u.ac.jp/_files/00167413/ophthalmology202404.pdf   



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    緑内障

     緑内障は,多くの場合加齢とともに発症・進行するため、高齢化が進む島根県では特にその対策が重要な眼疾患です。
     緑内障診断、いろいろとある緑内障の病型確定のため、また、長期に渡る緑内障治療ではベー スラインとなる検査値が重要であるとの考えから、 初診時には種々の眼圧計による眼圧測定、視野測定、視神経乳頭・乳頭周囲・黄斑部形状解析、前眼部解析装置、超音波計測装置による角膜厚、 前房形状、眼軸長、角膜内皮、フレアメーターによる前房フレア値などを、ほぼルーチン検査として行っています。眼圧測定には非接触型眼圧計、 ゴールドマン圧平眼圧計、アイケア眼圧計の3種類で測定し、評価しています。また全国的にも珍しいトノグラフィーを用いて房水流出量の測定も行っています。
     治療については薬物、レーザー、観血的手術を組み合わせて施行しています 。薬物治療については、外来看護師による服薬指導を行い、個々の患者さんにおける点眼手技や緑内障薬物治療への理解度についての問題点を発見し、 改善する努力をしています。服薬指導のみで眼圧下降が得られ、手術を回避できる患者さんもいます。レーザー治療では、選択的線維柱帯形成術等を施行しています。 観血手術はiStent、マイクロフックトラベクロトミー、エクスプレスシャント、トラベクレクトミー、 チューブシャント手術などを緑内障の病型・進行度や患者さんの年齢により選択し、全国でもトップレベルの手術件数を行っています。 中でも、重篤な手術合併症の頻度が低く、術後の管理が比較的容易なマイクロフックトラベクロトミーが最も試行回数の多い術式になっています。 大幅な眼圧下降が必要な場合や複数回の緑内障手術でも眼圧コントロールできな い場合は、アーメド緑内障バルブやバルベルト緑内障インプラント、 毛様体光凝固といった手術 を施行しています。


    網膜硝子体・黄斑浮腫

     硝子体手術は裂孔原性網膜剥離、増殖硝子体網膜症、増殖糖尿病網膜症、眼内炎などの難症例をはじめ、 網膜前膜、黄斑円孔、網膜下出血、外傷など様々な症例に対応しており、年間300例程度の硝子体手術を行っています。 いずれの症例も25Gでの小切開硝子体手術を中心に、低侵襲な手術を目指しています。
     特に裂孔原性網膜剥離に対しては、速やかな手術が視力予後に関係するため、受診された日に手術を行うことがほとんどです。 網膜剥離に対しては硝子体手術ももちろんですが、強膜内陥術(バックル手術)にも対応しており、年に20例程度行っています。 強膜内陥術の初回復位率はここ10年で100%です。
     糖尿病や網膜静脈閉塞症による黄斑浮腫に対しては、ステロイドテノン嚢下注射、抗VEGF薬注射などを積極的に行っています。 場合によっては網膜光凝固、硝子体手術なども行います。
     網膜動脈閉塞症に対しては血管拡張薬であるプロスタンディン点滴を積極的に用いることで、視力・視野ともに良好な成績を得ています。 また、未熟児網膜症診療も行っており、未熟児網膜症に対してレーザー治療なども積極的に行っています。


    加齢黄斑変性症

     専門外来にて診療を行っています。 現在、加齢黄斑変性に対する主な治療は抗V EGF抗体の硝子体内注射ですが、 当科では硝子体注射を毎日外来で行っています。また、光線 力学的療法は随時施行しており、 症例に応じては抗VEGF抗体硝子体内注射との併用療法を施 行しています。


    ぶどう膜炎

     2013年に開設されたぶどう膜炎外来では、院内外から紹介された患者さんの診断のため、 眼科検査以外にも必要に応じ血液検査、胸部レントゲン写真、心電図等の全身検査を行い他科と連携した総合診療を行っています。 また感染性疾患が疑われる症例には、眼内液を用いたマルチプレックスPCRを先進医療として行っており即日検査が可能となっています。 非感染性ぶどう膜炎にはステロイド以外にもインフリキシマブ(2007年認可)、アダリムマブ(2016年認可)のTNF阻害薬が使用可能となっており 治療の選択肢が多様化しています。


    白内障

     当科の白内障手術は、全身疾患を合併している方や、難易度の高い症例が多いため、主に入院で行っています。 入院期間は片眼で2~4日間、両眼で4~6日間です。また、体調に問題がなく、術後通院が可能な方には外来手術を行っています。
     ほとんどが超音波乳化吸引術(PEA+IOL)の症例ですが、成熟白内障で水晶体嚢外摘出術(ECCE+IOL)を施行する症例もあります。 また、一般には対応の難しい眼内レンズ脱臼や水晶体亜脱臼などの紹介も多く、 水晶体嚢内摘出術・眼内レンズ縫着術(ICCE+IOL縫着)も日常的になっています。 眼内レンズ二次挿入では眼内レンズ縫着術の他に、強膜内固定術も行っています。
     通常の単焦点眼内レンズの他に、角膜乱視の強い症例ではトーリック眼内レンズを使用して乱視を軽減し、視機能の向上を図ったり、 遠近両用の眼内レンズである多焦点レンズを使用した選定療養を行っています。


    斜視・弱視・ロービジョン

     斜視・弱視外来及びロービジョン外来は,担当医師と視能訓練士で担当しています。
     斜視・弱視外来は,先天的・後天的な眼の位置の異常がある方や視力発達不良をもつお子さんを対象とした外来です。 眼の位置を矯正する斜視手術や,成人の斜視では膜プリズム装用を行っています。斜視の手術は3泊4日で行っていますが, ご都合により入院期間の短縮も可能です。弱視に対しては,眼鏡処方や視力向上訓練を行っています。 オクルパッド(ダブレット型弱視訓練機器)を用いた外来での訓練も可能です。
     ロービジョン外来は,見えにくいために日常生活に不便を感じている患者さんを対象としています。 日常生活の様子をお聞きし,眼鏡やルーペ,拡大読書器,遮光眼鏡などの補装具の選定や生活に役立つグッズの紹介, 該当する方に対して身体障害者手帳・障害年金の申請を行います。


    眼腫瘍(先端がん治療センター:兒玉達夫)

     眼球や眼の周りに発生する腫瘍はまれであり,個々の眼腫瘍はさらに頻度が少ないため, 診療ガイドラインが確立していません。 診断・治療方法が多岐にわたるため,眼腫瘍を扱え る施設は少なく,眼腫瘍を専門的に診療できる眼科専門医は全国で100人未満です。 鳥 取・島根・山口県内では,当院の眼科でのみ眼腫瘍の専門家が在籍しています。 眼腫瘍も他の領域同様、腫瘍全摘出が基本ですが、眼内腫瘍では視力を、眼窩腫瘍や 眼瞼腫瘍では容姿や眼球運動・開閉瞼といった視機能を、 可能な限り温存する必要があります。
     当科では眼腫瘍診療経験が豊富な眼科医を先端がん治療センターに配属し、山陰唯一の眼腫 瘍専門外来を開設しています。 画像および病理診断確定後、血液腫瘍内科による化学療法、放射線治療科による外照射をはじめ、 境界領域は脳神経外科、耳鼻咽喉科、皮膚科・ 形成外科、各内科と連携し、大学病院ならではの全科横断的な総合的治療が可能です。 全国の眼腫瘍専門家とのネットワークを持ち、必要症例は聖隷浜松病院や国立がんセンタ ー、重粒子線治療施設への専門的治療も依頼しています。


    涙道外来

     涙道(涙の通り道)は涙小管~鼻涙管を経て鼻に抜けていきます。年齢に伴い涙道は閉塞してくることがあり、涙があふれてきたり、目やにが止まらなかったりという症状は涙道閉塞からきている可能性があります。
     まずは涙道内視鏡で閉塞部位を確認し治療方針を立てます。
     涙小管の閉塞に対しては涙管チューブ挿入という治療をします。外来、もしくは入院で局所麻酔下に涙管チューブを涙道内に留置します。TS-1等の抗がん剤におる涙小管閉塞は難治性であり、早めの涙管チューブ挿入が必要です。 TS-1内服中の流涙については早めの受診をおすすめ致します。
     鼻涙管閉塞に対しても涙管チューブ挿入で治療を致しますが、長年膿が涙道に貯留している場合は、根治的治療である涙嚢鼻腔吻合術を行う必要があります。涙嚢鼻腔吻合術は全身麻酔、入院での治療になります。 当院では顔面の皮膚切開をせず、鼻の中からアプローチをする方法で行っておりますので手術の傷が気になるということはありません。


    角膜移植

     しまねまごころバンクが島根大学医学部附属病院に併設されており,連携を密にして眼球摘出から角膜移植手術まで行っています。 年間約5名の献眼があり,水疱性角膜症や角膜混濁の患者さんの移植に使わせていただいています。 以前から角膜全層移植を行ってきましたが,平成25年度 よりマイクロケラトームが導入され,現在は角膜内皮移植を主に行っています。


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