第23回眼科生体防御研究会が開催されました

2024.07.22

Photo_Sample 2024年7月22日に小川亜希子先生をお招きし、第23回眼科生体防御研究会が開催されました。
小川先生は東北大学加齢医学研究所で研究業に従事されており、 今回WEB開催ではありましたが、はるばる出雲までお越しいただきご講演されました。 小川先生からは「眼科研究のすすめ-アイフレイル克服に向けて-」という演題で、 Suberoylanilide Hydroxamic Acid (SAHA)が濾過胞不全のメカニズムを抑制する働きを持つこと、 Rhoキナーゼ阻害剤のリパスジルが続発緑内障に対し有効な眼圧降下を示すことの2点をお話しいただきました。
SAHAはヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であり、ヒトの様々な臓器で抗線維化作用が示されています。 結膜組織においても同様で、SAHAが創傷治癒における複数のプロセスを抑制していくという内容のお話でした。 濾過胞形成不全は緑内障術者にとって常に悩みの種であり、 この研究がマイトマイシンCに次ぐ新たな可能性を作り出していくように感じました。
また、リパスジルは緑内障治療薬の一種として実臨床で使用されている点眼薬です。 その臨床研究で、ぶどう膜炎・落屑症候群・ステロイドに続発する緑内障に対して有効な眼圧下降効果が示されています。 そしてSAHAと同様、抗線維化作用の可能性についてもお話されておりました。
小川先生は現在眼科領域のみならずRNA研究にもご尽力されています。 臨床での様々な視点が研究に活きてくること、 研究結果に対する多方面からの解釈がその事実性の証明につながるということを学びました。 今後の自分自身の仕事でもこの観点を忘れずにいきたいと思います。

髙木 啓伍


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