第15回島根県眼科臨床研究会が開催されました

2025.01.26

1月26日に第15回島根県眼科臨床研究会が開催されました。

Photo_Sample まず、筑波大学医学部医学系眼科准教授の平岡孝浩先生より「どう診てどう対処する?学童近視診療のパラダイムシフト」についてご講演いただきました。 近年、学童期からスマートフォンやタブレットを利用する機会が増え、昔と比べて屋外で遊ぶ時間も短くなり、近くを見る時間が多い時代になっています。 そのため、世界的に近視人口が急増し、病的近視の発症リスクが高まることが危惧されています。 近視の予防対策として、遺伝・環境的なアプローチと薬物と光学的アプローチが挙げられます。 環境因子として屋外活動の有効性が広まり、台湾では政策導入により学童近視の減少に成功しているようです。 医療介入としては、眼鏡、オルソケラトロジー、多焦点SCL、低濃度アトロピン点眼が挙げられました。 眼鏡における新たな開発として近視性デフォーカスを形成する光学デザインが注目されていること、 アトロピンの有効濃度や他治療との併用効果、多焦点SCLやレッドライト治療についてなど、 様々な近視抑制法の最新情報と日本で行える治療とその戦略について学ばせていただきました。

Photo_Sample 続いて、日本医科大学眼科学教室准教授の中元兼二先生より「眼圧が低いのに進行が早い症例の原因と対処法」についてご講演いただきました。 私自身も日常診療で目標眼圧をクリアしているにも関わらず視野進行の早い症例を経験したことがあります。 原因はいくつか考えられ、眼圧測定値の正確性、眼圧変動の影響、点眼アドヒアランス不良が挙げられました。 角膜厚や角膜ヒステリーシスの影響を考慮すること、長期や日内眼圧変動が大きい症例にアイケアホームが有用なこと、 点眼の指導や見直しの重要性など、実際の症例を提示しながら対処法について学ばせていただきました。 また、緑内障患者は睡眠時無呼吸症候群の罹患率が高く、重症度や夜間の眼圧上昇持続時間に注目すること、耳鼻科紹介を考慮する必要性についても学びました。

二講演とも大変興味深い内容でありあっという間に2時間が経過しました。 会場には多くの山陰の先生が参加され、質疑応答や講演後の情報交換会では大変盛り上がりました。 明日から診療に活かしていきたいです。 平岡先生、中元先生にご登壇いただけましたこと感謝いたします。

飯田 みずき


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