2025.10.14
日本眼科学会では,眼科学の進歩に貢献できる若い研究者を育成することを目的として毎年5名に学術奨励賞を授与しています。
この賞は,過去1年間に発表された論文と,これまでの研究成果,
今後の活躍への期待について,委員会により審査され,日本眼科学会から表彰される制度です。
この度,当科の筒井愛佳先生が,令和7年度の受賞者として選ばれました。
筒井先生は,「シュレム氏管組織の原発開放隅角緑内障と落屑緑内障の比較」というテーマで研究を行い,
眼科学の基礎研究分野のトップジャーナルであるIOVSに論文発表を行いました。
筒井先生は,POAGと異なり,落屑緑内障ではシュレム管内皮細胞の脱落が目立つことを発見しました。
この研究結果は,シュレム管内皮細胞保護が新たな眼圧下降治療のターゲットとなり得る事を示しており,極めて新規性の高い知見です。
筒井先生は,妊娠・出産・育児を行いながら,診療に従事し,その上で,論文執筆・専門医取得・学位取得を成し遂げました。
仕事や研究と家庭を両立する姿は,眼科を目指す女性医師のロールモデルとなります。
島根大学からは令和5年度にも,原野晃子先生が学術奨励賞を受賞しました。
当科の先生達が活躍してくれていることを講座の責任者として大変うれしく思います。
本研究を指導して下さった濱中輝彦先生他,共同研究者の先生方に感謝いたします。
谷戸 正樹