2026.03.22
2026年3月22日に開催された第33回島根眼科研究会に参加しました。
お二方の先生による特別講演があり、
1題目は慶應義塾大学 鳥居秀成先生の「生涯にわたる近視マネジメントの可能性」、
2題目は長崎大学 大石明生先生の「網膜ジストロフィの遺伝的検査と環境要因」でした。
鳥居先生からは、COVID-19以降の小児における近視進行の現状、近視抑制治療の潮流、成人以降の近視進行について解説いただきました。
中でもCOVID-19の影響による活動自粛、スクリーン使用時間の増加に伴う子供達の近視進行は自分の想像を超えるものでした。
強度近視はさまざまな眼疾患リスクを伴い、我々も臨床において治療に苦戦を強いられることも少なくありません。
大学病院に務める医師はすでに疾患に罹患した患者さんを相手にすることがほとんどですが、
予防治療の重要さを改めて知る機会となりました。
現在は低濃度アトロピン点眼製剤、さまざまな種類の多焦点コンタクトレンズ、
レッドライト/バイオレットライト療法などの新しい近視抑制治療が登場しています。
それぞれに利点と欠点があり、治療中止によるリバウンドも報告されているため、
我々も知識をアップデートして患者さんへの利益につなげていくことが求められていると感じました。
大石先生からは、網膜ジストロフィーについて実際の症例における遺伝子検査の結果を用いながら、
検査と診断の実情を教えていただきました。
網膜ジストロフィーは、その眼底所見の多彩さや希少性から診断が困難であることに加え、
さまざまな要因から十分な遺伝子検査などを受けられずに経過を見られている患者さんも多いです。
遺伝疾患であるため、患者さん本人としては家族に発症する可能性を心配されますし、
自身の状態について十分に把握できないことの不安もあると思います。
講演では、カウンセリングを含めた遺伝子診断や治療の発達によって、
患者さんのニーズに応えられる今後の可能性についても言及されました。
上述の近視治療と同様に、臨床医がしっかりと患者さんに選択肢を示す必要がある分野だと感じました。
こういった外部からのエキスパートの先生のご講演は非常に貴重な機会であり、
今後も研鑽を続けていきたいと再認識する会となりました。
髙木 啓吾


