島根大学医学部臨床大講堂にて第2回のSMARTセミナーが開催されました。前回に引き続き医師と療法士の間での議論の場とすべく、上肢のスポーツ傷害、特に投球障害をテーマとして開催されました。
前回の前十字靭帯損傷と異なり、投球障害はどの施設でも必ず接する機会のある疾患です。
まず整形外科医側から、山本講師が肘・肩のスポーツ傷害について講演しました。投球障害の代表的な疾患である腱板損傷、SLAP、離断性骨軟骨炎を中心にその成因から最近の文献的報告までを盛りだくさんで教えて頂きました。
病態を正確に知ることで、治療法選択への道筋が自ずと導かれるはずです。
続いて出雲市民病院理学療法士の布野から投球障害のアスレチックリハビリテーションについて講義を行いました。
病態を踏まえた上で療法士の視点から実際のトレーニングを講演しました。ピッチングの土台となる下半身の使い方、柔軟性の重要性を強調して説明しました。
日本での野球人気、特に高校野球の盛り上がりは特別です。その裏で結果を求めて故障してしまう球児が数多くいることも事実です。地道な啓蒙活動や現場への介入をすることで、少しずつでも機能障害を残すような重度のスポーツ傷害を持つ球児が減っていって欲しいと願います。