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循環生理検査・詳細

arraw4 心電図(ポータブル心電図)

 ▼概要

 検査室で行う12誘導心電図では、心筋梗塞の部位の予測や、伝導障害の位置、期外収縮の起源の推定などができます。次のような症状の患者に有用な検査です。

  動悸、脈の乱れ、失神発作、めまい、胸痛、胸部圧迫感

 他に検診や手術前検査として行われています。ポータブル心電図は、病棟に技師が出向いて行う12誘導心電図です。

 ▼注意事項   

・右胸心の方ですでにわかっている場合は、スムーズな検査のためにコメントをお願いします。
 通常誘導で記録後、胸部・四肢を左右逆にして記録した(通常心電図波形様にした)結果を加えて報告致します。
・心電図を受けられる場合は手首、足首、胸が簡単にだせる服装でお願いします。

arraw4 ホルター心電図

 ▼概要

 心電図を24時間継続して記録することで、不整脈や狭心症の診断、治療効果の評価に有用です。記録中の行動や症状の有無を、お渡しする「行動の記録」に書き込み、取り外した機械と一緒に検査部へ提出ください。

 ▼注意事項   

・電極装着後に画像検査(レントゲン、CT、MRIなど)の予定がないことを確認してお越し下さい。
・取り外し後に解析を行います。スムーズな結果返却のために、機械を取り外したら検査部へ速やかにご提出ください。
・装着中は入浴はできません。また念のため、電気毛布や低周波治療器は使用しないでください。

arraw4 心室遅延電位

 ▼概要

  レートポテンシャル検査(LP: Late Potential)の一つで、心室性不整脈(VT/VF)を引き起こすリエントリー発生の原因である伝導遅延(脱分極の異常)を、体表面心電図から検出することで評価を行う検査です。200拍以上の心電図を加算平均していき、ノイズを大幅に減らし、小さな信号を検出します。心室遅延電位(R波トリガ)の他に、心房遅延電位(P波トリガ)も測定可能です。

 ▼注意事項

・不整脈の方は信頼性の低い結果or検査不可能となりますのでご注意ください。

arraw4 運動負荷心電図

 ▼概要

 運動負荷心電図検査の目的は、安静時には認められない心血管系の異常を運動という最も身近で生理的な負荷を身体に与えることにより明らかにすることです。心筋虚血の診断やその重症度、治療効果判定、各種心疾患患者の運動耐容能の評価などに幅広く用いられています。運動負荷心電図検査は緊急に医師の処置を要する場合もあるため、原則的に医師の立ち会いのもとで実施します。当院では2種類の方法で行っています(下表)。

 ▼注意事項   

・運動負荷心電図検査は医師の立ち会いのもと実施します。
・ 検査前の絶食と禁煙をお願いします。
・下の項目に該当する場合は検査適応外です。
 絶対的禁忌
  急性心筋梗塞(発症後2日以内)、内科的治療により安定していない不安定狭心症、コントロールされていない重症心不全や重症不整脈、急性炎症性疾患(活動期の心筋炎、心膜炎など)、大動脈弁狭窄(中等度以上)、急性肺血栓塞栓、肺梗塞、急性大動脈解離、精神障害または身体的障害

 相対的禁忌
  左冠動脈主幹部狭窄、中等度以上の狭窄性弁膜症、電解質異常、コントロールされていない重症高血圧
(安静時収縮期血圧220mmHg以上、拡張期血圧120mmHg以上)、重症肺高血圧、肥大型閉塞性心筋症、高度房室ブロック>

  fukashinndennzu

arraw4 脈波伝播速度

 ▼概要

 脈波伝播速度(PWV)は、血圧に依存し動脈の弾性とともに変化するという問題点があり、現在は血管弾性指標(CAVI)に変わっています。オーダー上は、脈波伝播速度という名称ですが、実際はCAVI検査ですのでご注意下さい。動脈硬化の程度を、CAVI、足関節上腕血圧比(ABI)、足趾・上腕血圧比(TBI)を指標として評価しています。CAVIは血圧に依存されない血管固有の硬さを表し、ABIは足の動脈の狭窄や閉塞の程度を、TBIは足関節レベルまでの末梢動脈の血行障害を表します。

 ▼注意事項

・TBIは、ABI≧1.3の時に測定しています。どうしても検査が必要な場合は、検査オーダー時にコメントをお願いします。

arraw4 24時間血圧測定

 ▼概要

 携帯型の血圧計を使用し外出時や睡眠中でも血圧測定することができる検査です。24時間血圧計の使用基準に関するガイドラインでは、ルーチンに行なう検査ではなく以下のような高血圧患者に用いるのが良いとされ、夜間血圧の評価は原則として24時間血圧計によって行ないます。

  
  診察室あるいは家庭での血圧が大きく変動する場合、白衣高血圧が疑われる場合、
  仮面高血圧が疑われる場合、薬物治療抵抗性の高血圧の場合、
  降圧薬投与中に低血圧を示唆する徴候がみられる場合

 検査は上腕にカフを巻き、カフ加圧時には測定上腕を安静に保ちます。測定間隔は、昼30分間隔、夜間60分間隔としています。被験者の日常活動記録(就寝と起床時間、自覚症状、運動、服薬など)をつけてもらいます。

 ▼注意事項   

・24時間血圧測定機は、一台しかありませんので、原則予約時間の厳守をお願いします。
・また、血圧とホルター心電図を同時に検査できる血圧計付きホルター心電図検査もありますのでご相談下さい。

arraw4 中心血圧

 ▼概要

 中心血圧とは、大動脈起始部で測定される血圧値のことで、心臓、腎臓など主要臓器にかかる圧負荷を反映し、上腕血圧より密接に高血圧性臓器障害と関連することが推測されています。また、中心血圧は、上腕血圧ではわからない降圧剤の効果が見え、予後予測能にも優れています。これまで中心血圧は、心臓カテーテル検査で観血的にしか測定できない血圧でしたが、近年、非侵襲的に橈骨動脈波より中心血圧を推定できる方法・装置が開発されました。この方法は、座位にて手首に脈波センサを装着し、トノメトリ法を用いて橈骨動脈波から測定される収縮期後期圧(SBP2)より中心血圧を推測します。

 ▼注意事項

・胸壁エコー検査と同時算定はできませんのでご注意下さい。