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【腱縫合の研究】
私達整形外科が扱う手指の屈筋腱損傷は、治療をしても癒着や拘縮が生じやすく、以前より難題とされてきました。現在でも、一部の専門施設では良好な治療成績が報告されていますが、多くは手の機能に障害を残す可能性が高い外傷です。また、通常は治療後に繁雑かつ厳密なリハビリテーションを行わねばならず、患者さんにとっても負担が大きいものです。
当教室では、強固な糸を用いた新しい腱の縫合法を研究・開発し、実験上は従来より用いられている縫合法と比べてはるかに良好な強度を得ており、治療後に患者さんが指をすぐに動かしても問題ないところまで到達しています。
今後、この研究の成果を手指の屈筋腱損傷や足のアキレス腱損傷などに導入すべく、臨床応用の準備をしています。私達は、これらの怪我をしても、手術してすぐに患者さんが自分の力で指を動かしたり歩いたりできることを目指しています。
【ポリエチレン混合糸を用いた新しい腱縫合法】
従来から用いられている糸よりもはるかに強い「ポリエチレン混合糸」の強度を、十分に発揮するために開発した新しい腱縫合法「Side locking (SL) 法」です。この方法を用いれば、手術直後より固定することなく患者さんが自動運動を行えると考えています。

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