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日本精神神経学会専門研修
教授からのメッセージ
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<精神科の重要性>

 専攻医について、その教育の充実とキャリアパスの拡充について日々考えています。平成30年9月末には来年度の専攻医の申請が始まるはずでしたが、10月半ばに遅れていると報道されています。
 社会が複雑になり、人々の人生の中に占めるメンタルの意義が今後ますます大きくなっています。その
ため、精神科の重要性はますます高くなっていきます。専攻医として精神科を選択することで、今後40年以上のキャリアの中で地域の人々・世界の人類の両面に貢献することができます。

<はじめの研修>

 専攻医としてのはじめの研修は、多様な知見と広い人脈が集約する大学病院で行うことが大切です。専攻医の間は、症例数を競って多く経験することよりも一つ一つの事例についてより深く丁寧に検討する機会を持たなければなりません。はじめの経験こそが、生涯にわたり丁寧な仕事をするために極めて重要です。多職種によるチームでの研修システムを構築している大学病院で専攻医を始めるべきです。

 

<専門研修後の専門領域の人材育成>

 当精神医学講座では、医師になってはじめの5年間(初期研修2年間と専攻医3年間)で、精神科医師としてすべての領域に対応できる「精神科医」となる教育制度とその機会を提供しています。ただ、それだけでは、安全で安心な医療を提供はできますが、高度な医療を提供できません。精神科専門医を取得した後に、それぞれの得意とする分野をさらに強化して、その領域の最先端の知識と経験を有する医師を育成する必要があります。
 精神科の中には小児思春期から高齢者まで幅広く、地域精神保健から大学病院精神科まで領域があり、かつ、それぞれにおいて、気分障害、統合失調症などの内因性精神障害、リエゾンコンサルテーションに代表される身体疾患に合併する精神障害、アルコール・薬物依存乱用のリハビリテーションなど、様々な疾患領域があります。これらそれぞれに、その領域の日本・世界の最先端の知識と経験を有する人材の育成を目指しています。

<最後に一言>

 私は、今年の5月に、精神医学講座の教授に就任しました。これまでの私の経歴は、広島大学、国立がん医療研究センター、国立精神・神経医療研究センター、岡山大学、米国国立保健研究所と多岐にわたっており、現在もこれらの国内外の研修・研究機関と協働して教育・研究を進めています。
 また、遺伝子・培養細胞から、動物行動薬理、ヒト脳画像研究といった生物学的な領域だけでなく、医療制度や社会文化的背景などのヒト行動科学・心理社会学的領域の研究とその知見の活用も、大学病院での研修であればこそ総合的に体験・選択することができます。
 大学病院の当科で精神科専門医としての研修を始めてください。医師として、一人の人として、十分に達成感ある・満足できる自己実現の機会を医局員・同門と協力して提供します。一緒に未来を作っていきましょう。 

2018年9月10日記 稲垣正俊