公開日 2022年10月28日
10月16日に松江テルサで松江市民フォーラム「島根大学病院の最新治療」2022秋が行われ、およそ40名の方が参加されました。
はじめに椎名浩昭病院長の挨拶があり、3名の講師の講演の後、質疑応答の時間が設けられ、松江市民の皆様との闊達なコミュニケーションが行われました。
まずは集中治療部 二階哲郎 准教授が「安心、安全な手術を受けていただくために」というテーマで講演しました。「手術を受けられる患者さん」の安全を守る、という目標のために、大学病院が取り組んでいることを紹介しました。安全な手術のため、術前には周術期管理チームを作り、患者のこころとからだをサポートする体制がとられ、術中から術後にかけては絶え間のない治療やケアを継続させるシステムを備えていると話しました。
次に小児心臓外科 中田朋宏 講師が「山陰地方で唯一の小児心臓外科の役割」というテーマで講演しました。当院は小児心臓外科手術を実施する山陰唯一の施設として新しい方法や技術なども積極的に取り入れていることや、日本初で世界的にも珍しい難病発症の子どもの人工血管手術に成功したことなどを話しました。また、説明の中では実際の手術の様子や心臓が動く映像も使われており、より治療の内容や様子が伝わる講演でした。
3人目はロボット支援手術推進センターセンター長 泌尿器科 和田耕一郎 教授 が「島根大学病院だから提供できる安全な低侵襲手術の実際」というテーマで講演しました。島根大学病院では腹腔鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を2012年から導入していますが、手術件数の増加のため、本年10月から2台目を導入しました。今後は充実した実施体制により安全性の担保や待機期間の短縮が期待できます。
和田教授は講演の中で、ロボット支援手術の利点として、執刀医による手技の巧拙の差が出にくいことや、手振れがないこと、そして手術時の映像が記録されるため今後の医療事故防止や教育に活かせることなどを紹介しました。
質疑応答では参加者から「ロボット手術のデメリットは何か」というものや、「ロボット手術が適応されている臓器はどこか、今後適応される臓器は増えるのか」などが挙げられ、松江市民の皆様の健康への関心の高さや、島根大学病院への要望や期待がうかがわれました。島根大学病院の最新治療を発信する講演が皆様の知識を深める機会となれば幸いです。
今後も、皆様のご参加をお待ちしております。
島根大学医学部 広報サポーター