「臓器移植を考える日」の制定と啓発活動が行われました

公開日 2012年12月19日

  

「臓器移植を考える日」

 平成22年7月17日に改正臓器移植法が全面施行され、生前に書面で臓器を提供する意思を表示している場合に加え、ご本人の臓器提供の意思が不明な場合も、ご家族の承諾があれば臓器提供ができるようになりました。このため、自分の意思を尊重するためにも、日頃より臓器移植について考え、家族と話し合い、「提供する」、「提供しない」どちらかの意思を表示しておくことが大切となっています。 
 本院では、平成24年1月24日に山陰では初となる脳死下臓器提供に係る臓器(腎)移植手術を実施し、移植医療の取組を推進しているところであり、平成24年8月16日から入院・外来患者さんを対象とした臓器提供意思表示の確認活動を開始しました。その表示の割合の状況は、公表されている調査結果に比べ、まだ、かなり低い状況であるため、この活動を広く患者さん・家族等の方々に周知し、ご理解をいただくため、また、意思表示の推進を図ることを目的として、臓器移植法の施行日(平成9年10月16日)にちなみ毎月16日を「臓器移植を考える日」と定めました。
 12月は17日に「臓器移植を考える日」を知らせる立看板及び脳死や臓器提供・臓器提供意思表示の流れなどを説明したバナーが設置された病院待合ホールで、啓発活動の一環として医療サービス課職員により来院の患者さんらに意思表示を促すカードをお配りしました。


 

臓器提供の意思表示に関するお願い


 臓器移植は、病気などにより臓器が機能しなくなった場合に、人の健康な臓器を移植して、機能を回復させる医療です。2010年に改正臓器移植法が施行され、脳死で臓器を提供された方が増加していることは報道等でご存じと思います。臓器移植に関しては、どなたにも臓器を提供する権利あるいは提供しない権利があります。臓器を提供する、提供しないにかかわらず、多くの方々が意思を明確にされ、ひとり一人の意思が尊重される移植医療の普及が望まれます。
 臓器提供の意思は、臓器提供意思表示カード、保険証や運転免許証の意思表示欄への記入、あるいはインターネットによる意思登録で表示することができます。意思表示欄への記入は任意で、「臓器を提供しない」という意思表示も尊重されます。なお、臓器提供の意思表示の内容により、本院の診療において不利益を被ることはありませんのでご安心ください。
 臓器移植は、広く社会の理解と支援があって成り立つ医療です。本院受診を機に臓器移植について、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

                        島根大学医学部附属病院長     井川 幹夫