中国地区DMAT連絡協議会実働訓練に参加

公開日 2012年11月09日

 

救命救急センター病棟 第1ユニット 渡邉克俊

 11月3日午前8時半、岡山県南部を震源とする震度6強の直下型地震が発生したとの想定で厚生労働省から中国地区のDMAT(災害派遣医療チーム:医師、看護師、調整員の4~6名で構成)へ派遣要請があり、被災地での医療救援活動に本院のDMATが参加しました。
 本院のDMATは、人工呼吸器や心電図モニター・除細動器などのME機器や酸素ボンベ・輸液バックや衛生材料などの資機材を車輌に積み込み、8時45分に出動しました。衛星通信電話を使用したEMIS(広域災害救急医療情報システム)から災害の情報を取り込みながら参集拠点のひとつである川崎医科大学附属病院へ到着しました。川崎医大病院には近隣で負傷した患者が多数搬送されていましたが、ライフラインの遮断により病院機能が失われていたため手術を必要とする患者を緊急で広域搬送する必要がありました。気道熱傷をおった意識レベルの低い患者をSCU(広域医療搬送拠点)が設置されている岡山空港へ搬送するよう指令を受け、患者を車内へ収容し呼吸・循環管理や輸液管理を行いながら岡山空港へ急行しました。岡山空港SCUにはすでに近隣の病院から広域医療搬送が必要な患者が多数搬送されていました。患者を引き継いだ後は、SCUへ搬送されてくる患者の受入れ業務を担当しながら、状態の安定化が図られた患者から順次自衛隊機やドクターヘリを使用して羽田空港など県外医療機関への広域医療搬送を行いました。
 東海・東南海地震では東日本大震災のような大規模な津波被害が想定されています。中国地方は津波の影響が少ない地域であるので、被災地の患者を受け入れることも必要となってきます。そうした場合、広域医療搬送が重要な救命手段となることは明確であるので、今回のような広域医療搬送拠点での訓練はとても実りある有意義な訓練となりました。

広域医療搬送訓練風景
広域医療搬送訓練風景(岡山空港SCU)