県内初のTAVIを実施しました 【5/1記者会見】

公開日 2018年05月15日

 平成30年4月17日、島根大学医学部附属病院において、県内初のTAVI(タビ):
Transcatheter Aortic Valve Implantation(経カテーテル大動脈弁置換術)を実施し、5月1日に記者会見を行いました。
 TAVIとは、重症大動脈弁狭窄症に対する画期的な治療法です。胸を大きく切り開いたり、心臓を停止させたりすることなく、折りたたんだ状態の人工弁を大腿動脈あるいは心尖部からカテーテルを通して大動脈弁の位置に血管内から留置します。外科的な大動脈弁置換術と比べて圧倒的に低侵襲ですので、術後の回復が非常に早いことが特長です。
 加齢変性に伴う大動脈弁狭窄症の患者さんには、本来ならば外科的な大動脈弁置換術が勧められるものの、侵襲の大きさを考えるとどうしても開胸手術をためらわれる場合が多くありましたが、そのような患者さんにも、島根大学病院で安全で効果的な治療を受けていただけるようになりました。
 当院では、昨年7月、高度外傷センターのハイブリッド ERが完成し、TAVIを行う設備面が整いました。時を同じくして、緊急性の高い循環器系疾患に対し、迅速に最新の医療機器等による正確な診断と治療を行うことで、患者さんの救命とスムーズな社会復帰を目指すことを目的とした「総合ハートセンター」を開設しました。
 本センターにおいて、循環器内科、心臓血管外科をはじめとする関連部署の医師と医療スタッフが連携する『ハートチーム』の体制を構築し、本年2月に、県内初となるTAVIの施設認定を取得しました。
 今回は、医師、看護師、放射線技師、臨床工学技師、臨床工学技師からなる、『ハートチーム』12名で島根県初のTAVIを実施し、治療を受けた80代の女性は10日後、元気に退院されました。
 循環器内科の遠藤昭博講師は会見で、「当院で体に負担の少ない先端治療の選択肢を提供できるようになり、これまで手術をあきらめていた島根県の高齢者の方々に、TAVIは大きな福音となると考えます。」と述べました。

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(記者会見の様子)

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(向かって左から 田邊 一明 教授、井川 幹夫 病院長、遠藤 昭博 講師)