世界標準の新しいがんゲノム医療を導入し 島根県のがん治療を劇的に向上させます【7/2記者会見】

公開日 2020年08月12日

 当院の先端がん治療センターの新センター長として、国立がん研究センターから田村研治教授が2020年6月に着任し、7月2日、世界標準の新しいがんゲノム医療の当院への導入について、記者会見を行いました。
 田村研治教授は、国立がん研究センター中央病院在籍中に、多くのがんに関わる基礎研究、臨床研究に取り組んできました。研究テーマは、抗がん剤の効果を予測する遺伝子変異の同定や、分子イメージング、また、新規抗がん剤の開発です。昨年、保険償還されたがんゲノムプロファイリング検査の開発に直接関わり、また、アジア4か国にまたがる国際共同医師主導治験なども統括しました。
 個々の患者のがん細胞における「がん遺伝子変異」を次世代シーケンサーで解析し、その結果を治療薬の選択に用いる「がんゲノム医療」が昨年より臨床導入されました。がん種を超えて同一のがん遺伝子を標的とした治療薬の開発が進んでいることも、「がんゲノム医療」の拡大の背景にあります。これらの新しいがん医療は、単一の診療科、職種だけでは進めることが困難で、多診療科、多職種によるチーム医療が不可欠です。実現するには、診療科横断的で包括的な枠組みが必要です。
 島大病院は、国際化を進め、国立がん研究センターなどにおける知見を積極的に導入し、これまでも取り組んできた「がんゲノム医療」をさらに発展させます。エキスパートパネルやキャンサーボードの活用、生活の質(QOL)の向上につながる「外来化学療法」の促進、がん相談、がん検診、がん登録の推進を目標としてがん治療に関する新しい取り組みを加速し、また、島根県の医療環境に適応する形で改良することにより、県内のがん治療成績の向上を目指します。
 田村教授
記者会見の様子(先端がん治療センター センター長 田村 研治 教授)