公開日 2023年11月29日
11月25日(土)に、島根大学医学部臨床小講堂にて今年最後となる出雲市民フォーラムを開催しました。今回は、当院が注力している小児医療のうち小児外科を取り上げ、各専門の医師が最前線の治療などについて講演しました。
はじめに、当院の小児外科のベテラン医師である久守孝司講師が、こどもに優しい治療を目指して手術以外の治療の選択や傷跡の残らない手術を行っていること、「小児外科医療の砦」となり、地域の小児科と連携しどんな症例でも引き受ける姿勢などを紹介しました。
次に、山陰唯一の小児心臓外科の中田朋宏講師が、主な先天性心疾患について説明し、治療タイミングを逃さないことが重要であること、また前例のない疾患についても可能な限り対応しており、その成功事例や山陰唯一の施設として治療に尽力する意気込みについても話しました。
最後に、今年5月に新設された小児脳神経疾患治療センターの君和田友美准教授が、こどもの脳と脊髄の病気について実際の手術動画を交えて紹介し、山陰初の小児専門の脳神経外科として「向き癖」のヘルメット治療を行っていることも紹介しました。
一部で手術動画の公開もあり、子どもの小さな心臓や脳の手術がいかに大変か実際に確かめることができました。また、小児ならではの苦労や患者さんの負担軽減のための工夫、先生方の小児医療に対する熱い思いなども聞くことができました。
今回の参加者の中には、実際にお子様が通院されておられるご家族の方や、保育園の看護師さん、医療従事者の方々もおられ、皆さん真剣に聴講されていました。
講演後のアンケートでは、「これまでは重症な場合は県外の病院へ行くのが通常で親の負担が大変だったが、島大病院で最先端の医療を受けられることがわかり、孫たちのために希望が持てる」「臍ヘルニアや頭のゆがみのヘルメット治療中の園児が実際におられるので、治療の内容などとてもわかりやすく勉強になった」「各科の先生の技術等のレベルの高さに驚いた」など、たくさんのご意見・ご感想をいただきました。お忙しい中お越しいただきました皆さまへ深く感謝申し上げます。
今後も当院の取り組みや最新治療に関する情報を、市民フォーラムなどを通じて広く発信して参ります。次回もぜひ皆さまのご来場をお待ちしております。
【11/25 講演内容】
① 「小児外科って、本当は何をしているの?」
小児外科 久守 孝司 講師
② 「山陰地方で唯一の小児心臓外科の役割」
小児心臓外科 中田 朋宏 講師
③ 「赤ちゃんとこどものための脳神経外科」
小児脳神経疾患治療センター 君和田 友美 准教授
講演の様子
質疑応答の様子(左から 椎名病院長、小児脳神経疾患治療センター 君和田准教授・小児心臓外科 中田講師・小児外科 久守講師)
【お問い合わせ】総務課企画調査係 TEL:0853-20-2531・2019