公開日 2025年04月10日
平素より、島根大学医学部附属病院の運営にご理解とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。本年度は、以下の取り組みを中心に、持続可能な医療提供体制の構築を目指します。
1)医師の偏在と高齢化が著しい地域への取り組み
島根県における持続可能な地域医療体制の強化には、県行政と連携しながら体制整備を進めることが重要です。島根県勤務医師実態調査の結果を踏まえ、特に医師の偏在と高齢化が進行している 地域においては、地域の患者さんや医師を支援する医療ネットワークの構築を目指します。その一環として、医療DX を活用した遠隔診療の活性化を、地域医療政策センターを中心に推進いたします。
2)地域で安心して生活できる医療環境の整備
少子高齢化が進む島根県においては、高齢者の救急医療、小児医療、周産期医療の充実が不可欠です。加えて、がん医療や緩和ケアを通じて地域との橋渡しを行い、安心して子育てができる小児医療環境の整備にも注力してまいります。今後も島根県の保健医療計画に則り、地域の皆様のご要望を考慮しつつ、県行政と緊密に連携・協働しながら、過不足のない医療提供に努めてまいります。
3)診療科偏在の空間的・時間的な是正への取り組み
新たに設置した「顔面・頭蓋底治療センター」は、多職種が連携する診療科横断型のセンターです。複雑な頭蓋底腫瘍や顔面・頭蓋底外傷症例を集約し、当院の特色を活かした高度な医療を提供しています。また、当センターにおける教育プログラムは、卒前・卒後の教育や研修に対応し、顔面・頭蓋底領域における診療科医師の不足という島根県の医療課題を解決するための行動計画の一環とも位置付けています。
当院の理念は、地域に貢献することを第一とした医療提供に基づいております。本年3 月には山陰道の整備が進み、西部地域からの交通の利便性も向上いたしました。今後も地域の基幹病院や医療施設との連携をさらに強化するとともに、医療DX やMaaS(Mobility as a Service)の活用を通じて、過不足のない医療提供を実現してまいります。
今後とも、変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
病院長 椎名 浩昭