島根県で初めて「日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医資格取得」

公開日 2009年06月01日

(平成21年6月1日:報道発表)

内科科学講座第三(血液内科) 高橋 勉

 

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 私は2009年4月1日付けで日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医に島根県で初めて認定されました。現在全国で308名の専門医が認定されていますが、これまで島根県には不在であり、その誕生が多くの患者さんから待望されており、その育成が当院の使命の一つでありました。私は血液内科医として現在まで診療を続けてきましたが、先日残念ながら急逝された恩師で前腫瘍センター長である石倉浩人先生より腫瘍内科医への道を示され、2006年に本学会に入会し、本資格を取得すべく努力しました。この認定試験を受験するためには3臓器以上にわたるがん患者の診療経過要約を30例分提出しなければならず、2008年5月より当院消化器・肝胆膵・乳腺外科の先生方のご厚意により2ヶ月間外科病棟にて研修させていただき、消化器がん、乳がんの症例要約を作成することができました。この場をかりてお世話になった先生方には厚く御礼を申し上げたいと思います。また、私は2007年度に本学大学院腫瘍専門医育成コースに1期生として入学し、充実した講義により最新のがん診療の知識を得ることができました。この専門医資格は合格基準をクリアするのはやや困難であり、都市部のがんセンターなどで研修をうけないと資格取得は困難と思われていましたが、当院にいながら本資格を取得できることを私が体現できたことは手前味噌ながら大きな意義があると思っています。今後がん診療に興味のある若手医師や学生が当院においても十分な教育がうけられるよう、助けになることができればと考えております。残念ながら現時点では専門外のがん種に関しては付け焼き刃程度の知識しかなく、実際の診療ではお役に立てませんが、今後さらに研鑽を重ねて、各診療科の先生方と連携し、当院ならびに島根県のがん診療のさらなる向上に貢献できればと思っております。今後ともご支援のほどをよろしくお願いいたします。