原因不明の腹部膨満感の検査を始めました

公開日 2011年04月04日

(平成23年4月:最新治療) 

消化器内科 石村 典久 木下 芳一

  腹部膨満感(お腹が張る)はよくある症状で苦しくて患者さんを悩ましますが、その原因は内視鏡検査やCT検査などの精密検査を行ってもはっきりしないことが多く、治療にも苦労していました。最近、腹部膨満感で困っている人の一部で、小腸の中で細菌が過剰に増えることが原因であることが分かってきました。そこで消化器内科、肝臓内科では腹部膨満で困っている患者さんを対象に小腸の中で細菌が過剰に増えていないかどうかを調べる検査を始めました。砂糖水を300ccぐらい飲んでいただいて、その後15分おきに3時間呼気(吐く息)の中に水素がどれぐらい含まれているかを調べる検査です。朝、絶食で病院に来ていただき砂糖水を飲んでから3時間かかりますが、患者さんには全く危険性や不快感や痛みのない簡単な検査です。検査は消化器、肝臓内科の研究費で行いますので患者さんの負担はありません。

  お腹が張って困っている患者さんがおられたら消化器内科の外来担当医まで相談していただければ幸いです。この検査で異常な腸内の細菌の増加が見つかれば菌を殺す薬で症状が良くなる可能性があります。  

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検査は砂糖水を飲んでいただいた後、この写真のように小型の機械に息を15分おきに吹き込んで頂くだけです。