公開日 2010年07月01日
(平成22年7月:最新治療)
神経内科 小野田 慶一、山口 修平
平成22年5月、本医学部付属病院に光トポグラフィー装置(株式会社日立メディコ製、ETG-4000)が導入されました。別名NIRS(Near-Infrared Spectroscopy:近赤外線分光法)とも呼ばれています。
この装置は人体に対する透過性の高い近赤外光を使用して、大脳皮質表面付近の血液量変化を計測することができます。脳のある領域が活動をすると、それに伴って血液量が増大しますが、その血液中のヘモグロビンによる近赤外光の散乱を利用して、酸化および還元ヘモグロビン量の変化を求めるものです。
これによって、脳の活動を観察することができます。光トポグラフィーは比較的装置が小さく移動が可能であり、測定場所を選ばないという利点があることから、臨床場面においても利用されています。言語優位半球の同定とてんかん焦点計測には保険点数がつきます。
また、先進医療としてうつ症状の鑑別診断補助にも用いられています。これらに限らず、リハビリテーションや小児科の領域においても利用が広がり、今後さらに適用分野は拡大していく見込みです。本学においても臨床と研究に多大な寄与が期待されます。