島根大学病院で作成した治療行為に関する「事前要望書」について報道発表(記者会見)が行われました

公開日 2012年03月14日

(平成24年3月12日:報道発表)

 医学,医療技術の発展にともない,従来助からないような病気も救われるようになり,また治療方法の選択肢が拡大しました。一方,高齢化社会になり,現在の医学では回復不可能な状態におちいった時,高度な医療技術を延命だけの無駄な治療はしてほしくないという,漠然とした不安を持っている人も増加しています。

 医療スタッフの方も,終末期にあるような患者さんに対して,出来うる限りの高度の医療技術を投入すべきかどうか迷うこともあります。本人が望まない治療が行われたり,本人の人権,生命の尊厳を傷つけられる結果になることもあるからです。

 高齢化社会に入って同様のケースが増えてくるものと予想されます。治療方針を医師だけが決めるのではなく,ケースによって治療を受ける患者さん本人の希望を受け入れて,生命の尊厳を守る治療を選択する必要に迫られることもあります。

 島根大学病院では,「医の倫理委員会」に諮って,元気なうちに自分の治療に関する希望を伝えておく仕組みを平成20年に作り,このたび「事前要望書」リーフレットを作成しました。

 この本院の取組みを県内の医療機関や一般県民の方に,広く周知するため3月12日(月)に小林病院長,井川副病院長,山口副病院長による報道発表(記者会見)が行われました。

※ 「事前要望書」は,本人の自由意思で記入でき,記入した後でも自由に変更することができます。「事前要望書」の有無によって,または変更によって,患者さんが不利益を受けることはありません。

【リーフレット掲載場所】

病院ホームページ「本院の取組」~事前要望書のご案内~
http://www.med.shimane-u.ac.jp/hospital/pdf/jizenyoubou.pdf

(記者会見の様子)

記者会見の様子

(左:井川副病院長,中央:小林病院長,右:山口副病院長)