先進医療としての歯科インプラント治療

公開日 2008年01月01日

(平成20年01月:最新治療)

島根大学医学部歯科口腔外科学講座 教授 関根浄治

  寒い日が続いておりますが、皆さんのお口の中の調子はいかがでしょうか?

この度、島根大学医学部附属病院では歯科インプラント治療が先進医療の承認を得ました。そこで今回はインプラント治療についてお話ししたいと思います。 

 みなさんの大切な歯が失われたとき、私どもは皆さんに5つの治療法を提示できます。それらは1)歯の移植、2)固定式のブリッジ、3)取り外し式の義歯、4)放置、そして5)インプラントです。
 インプラント治療はすでにご存知の皆さんも多いかと思いますが、顎の骨の中にチタン製の金属(フィクスチャ)を埋め込み、これに連結装置(アバットメント)を連結し、最終的に歯を取り付ける治療法です。

 通常、フィクスチャを埋め込みその数ヶ月後にアバットメントを連結して歯を取り付けますが、私がインプラント治療を始めた1989年頃には顎の骨が極端に細い方には、インプラントは不可能とされていました。しかし、今では治療技術の向上により、移植や延長装置で骨を造る方法があります。
 さらに、患者さんによっては本年9月に私どもが導入したコンピュータガイドによる手術システムにより、即日インプラント義歯を装着することも可能です。
 かつてインプラント治療が不可能とされた皆さんにも、今は最新の技術とより安定したインプラントシステムの組み合わせで咬むよろこびと美しさを提供できます。

  インプラント治療は、一般医療と比べるとその技術・治療効果が極めて高いのですが、費用はすべて自己負担です。しかし、先進医療の承認を受けた医療機関では、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料など)については保険適応となります。 
 島根大学医学部附属病院では、平成19年12月1日より通常の義歯では咀嚼機能の回復が困難な患者さんに対して、インプラント治療を先進医療として特別な料金体系で提供できるようになりました。

  お口の中に何かお困りのことがおありでしたら、病院受付・歯科口腔外科までどうぞお気軽にご相談ください。なお、当科受診の際にはお近くの医療機関からの紹介状をご持参ください。皆さんのお口の健康を支えて差し上げるのがわれわれの使命です。

参考:歯科口腔外科ホームページ
http://www.med.shimane-u.ac.jp/oral/index.html