文部科学省未来医療研究人材養成拠点形成事業「地方と都会の大学連携ライフイノベーション」について

公開日 2013年09月18日

(平成25年9月18日:報道発表)

 9月18日(水),島根大学医学部附属病院(以下,本院)において文部科学省未来医療研究人材養成拠点形成事業(【テーマB】リサーチマインドを持った総合診療医の養成)に本院から申請した「地方と都会の大学連携ライフイノベーション」が選定された旨の記者会見を行いました。

 高齢化先進県である島根県では、医師偏在による医療過疎の状況が続いています。一方、団塊の世代が75歳以上となる2025年には首都圏や都市部の高齢化が急速に進展し、兵庫県においても例外ではありません。この近未来の超高齢者社会におけるケアニーズである急性期医療から慢性期医療、療養、介護、在宅、看取りまでの切れ目のないケア(地域包括ケア)の提供において、医療、介護、福祉施設や県および市町村などとの有機的な連携協力ばかりでなく、複雑化多様化したケアに適切に対応できる医師(総合診療医)の育成について、十分ではない状況があります。

 そこで、総合診療医の育成のために、高齢化先進県の島根大学と近未来高齢化県の神戸大学ならびに兵庫医科大学の3大学が連携して相互補完を図るとともに、大学が調整役を務め、県市町村、関連医療・介護福祉施設、団体との連携による地域包括ケア人材育成体制を構築するプログラムを計画致しました。

 また、本プログラムにおいては、地域包括ケアのなかでリーダーシップを発揮し、同時に現場における課題や問題点を自ら解決できる能力を習得できる、リサーチマインドを持った総合診療医を育成するコースを用意しました。例えば、島根大学では総合診療医・内科総合医育成コース(総合医療学講座担当)、総合診療医指導者育成コース(地域医療教育学講座担当)および地域包括ケア人材養成コース(地域医療政策学講座(仮称)担当)などを準備しました。

 本プログラムを通じて、プライマリヘルスケアを中心に総合的に診療できる医師(総合診療医や専門医であると同時に総合的に診療できる医師)を育成し、最終的には地域のみなさんの安全・安心を確保し、大学機能の再生・復活ができればと考えています。

 記者会見の様子

記者会見の様子

向かって左から 石橋教授・熊倉教授・井川病院長・廣瀬准教授