家族性大腸腺腫症の遺伝子検査について記者会見を行いました

公開日 2014年08月12日

(平成26年8月12日:報道発表)

 臨床遺伝診療部の鬼形和道准教授より,平成26年7月1日より本院において家族性大腸腺腫症の遺伝子検査を開始した旨,説明がありました。

 家族性大腸腺腫症は,生殖細胞におけるAPC遺伝子の病的変化(変異)が原因で発症する遺伝性疾患です。大腸の多発性腺腫(ポリポーシス)を特徴とし,放置すると100%に近い方に大腸がんを発症します。

 本院で行う家族性大腸腺腫症遺伝子検査では,APC遺伝子変異の同定は家族性大腸腺腫症の確定診断となり,血縁者に対する遺伝子検査も可能となります。発症前(10代)から定期的に大腸内視鏡検査を行い,ポリープの経過を観察することで,大腸がんの発生前に予防的に手術を行うことが可能です。

 また,遺伝子検査の前には遺伝カウンセリングが必須ですが,本院は「臨床遺伝診療部」を設置しており,ここで患者さんおよび御家族に対する遺伝カウンセリングを行うことができます。

 井川幹夫病院長は「臨床遺伝診療部におけるカウンセリング等の体制の整備によってこの検査の開始が可能となった。このことによって適切な治療を県内で行うことができるということを広く県民の皆さんに知っていただきたい。」と述べました。

記者会見の様子

向かって右から 鬼形和道准教授,井川幹夫病院長