全国初 Acute Care Surgery 講座の新設及び高度外傷センターの設置について【6/26記者会見】

公開日 2015年07月01日

 本学部に全国初となる「Acute Care Surgery講座」の設置及び本院に専門的な外傷治療を行う「高度外傷センター」を設置することについて、記者会見を行いました。

 Acute Care Surgeryとは、「外傷外科」「救急外科」「外科的集中治療」の3つの基本領域の診療が提供できる新たな診療概念です。これまで、外科学、救急医学、集中治療学が担っていた領域から、独立した1つの専門診療科となるもので、今後重要な診療部門となることが予測されています。
 しかし、国内では、本格的に臨床実践できる施設が少なく、この領域を志す若手医師の学ぶ環境は整っていません。
 本講座の設置により、全国から若手外科医、救急医が集まり、本学の学生にも、卒前教育から、外傷治療の基本を学び、実践する機会を提供することとなり、ひいては、外傷救急医療を目指す若手医師の増加、日本の外傷救急医療の底上げに貢献できます。

 また、島根県では、不慮の事故による死亡率が全国ワースト7(人口10万人あたり)であり、交通事故1件当たりの死者数が多いという問題があります。
 高度外傷センターでは、全県を対象として、交通事故をはじめとする不慮の事故により、重症、中等症以上で専門的な外傷治療が必要な患者に対して治療を行い、救命率の向上を図ります。
 このセンターの設置により、早期に適切な医療が実施されていれば、防ぐことができたと考えられる外傷死や、外傷後遺障害の減少につながることが期待され、島根県民の皆様の安心につながると考えています。

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井川 幹夫 病院長