子宮頸癌に対する妊孕性温存手術を確立しました

公開日 2021年11月16日

 当院の産科婦人科では全国に先駆けて、子宮頸癌の発症部位である子宮頸部を摘出し、赤ちゃんが宿る場所である子宮体部を温存した上で、腟と繋ぎ合わせて妊孕(にんよう)性を温存する子宮頸部摘出術(トラケレクトミー)(図1)を行ってきましたが、術後の妊娠率の向上を目指し、残存子宮体部への自律神経を温存する術式を世界で初めて開発しました。この新しい手術により島根県内の複数の患者さんが妊娠され、無事出産に至っております。
 

 (図1)

 
 本手術を施行した患者さんの妊娠率をさらに向上させるためには、術後の高度な生殖補助医療によるサポートが重要です。また、妊娠した場合も、子宮頸部がないため早産になりやすく、厳重な周産期管理が必要です。さらには再発が無いことをしっかりとフォローする体制も必要です。当院では腫瘍チーム、生殖補助医療チーム、周産期チームの緊密な連携(図2)により、このような体制を確立しております。

島根県で子宮頸癌に罹患した女性が安全、安心な妊娠、出産をしていただくよう、引き続きさらなる努力を続けてまいります。


 (図2)

 

◆問い合わせ先

産科婦人科 医局 

電話:0853-20-2268