片頭痛の最新治療について

公開日 2022年10月27日

 片頭痛は多くの方が罹患している疾患で、特に20~40歳代の女性に多く認められます。実は我が国の片頭痛患者さんの59.4~71.8%の方は我慢して病院を受診せずに悩んでおられるとのことです。「頭痛」と名前にありますが、頭痛以外にも吐き気やめまいなどの症状をきたして、中には仕事や日常生活を普通に送ることさえ難しい方もおられます。いずれの症状も周りの方からは目に見えないため、職場やご家庭での理解が得られにくい場合もあります。
 今までは飲み薬による頭痛の予防や、トリプタン製剤という頭痛の始まりに服用する薬による治療が主体でしたが、治療効果が得られない患者さんが相当数おられました。
 2021年からは片頭痛予防薬として注射治療薬(抗CGRP抗体のガルカネズマブ、フレマネズマブ、抗CGRP受容体抗体のエレヌマブ)が発売されました。
 これらはおおよそ月に一回、皮下注射を行うことで頭痛の頻度を減らす薬で、今まで投薬された患者さんでも多くの方が頭痛頻度の軽減を実感されています。現時点では妊婦さんへの投与は避けるように言われていますが、投与された方々に大きな副作用の報告はありません。少しお値段が高いですが、今まで仕事に出られなかった方が出られるようになり、実質的に収入が増えた方もおられます。頭痛にお悩みの方はこれらのお薬が使える可能性がありますので、一度担当医を通じて脳神経内科にご相談ください。

      

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内科学講座 内科学第三医局
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