帯状疱疹ワクチン接種を開始しました

公開日 2022年12月02日

 日本では80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症し、発症患者の約7割が50歳以上です。抗ヘルペス剤を投与するも、50歳以上の患者の約2割が、3ヶ月以上痛みが続く帯状疱疹後神経痛を合併し、皮膚症状が治まった後も長期間痛みに悩まされています。
 2014年10月に小児水痘ワクチンが定期接種化されて以降、水痘の流行が激減し、高齢者がワクチン接種等で免疫力を高める機会が減少していることから、今後の高齢化に加えた発症増加が予想されています。
 帯状疱疹に対する細胞性免疫(水痘皮内反応)、液性免疫(水痘帯状疱疹ウイルス特異的抗体価)はともに加齢に伴って低下する傾向がみられますが、水痘生ワクチン接種でそれらの上昇が可能となります。海外からの報告では、水痘生ワクチン接種群ではプラセボ群と比べて、帯状疱疹の発生率が51.3%減少、帯状疱疹後神経痛の発生率も66.5%減少し、帯状疱疹の重症度も61.1%低下しています。
 わが国では2016年3月より、水痘生ワクチンが高齢者の帯状疱疹予防目的で使用できるようになりました。有効性の高い生ワクチンですが、免疫抑制状態の方には禁忌のため、その場合は不活化ワクチンを使用できます。生ワクチンと不活化ワクチンとの違いを下記の表にまとめてます。
 当院皮膚科外来では従来の生ワクチンに加え、2022年10月より不活化ワクチンも使用可能となりましたのでご相談ください。

  

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