漢方外来を増設しました

公開日 2023年01月24日

 2022年12月より、当院漢方外来では毎週水曜日(第2週を除く)午後に新たに新患・再診枠を設けました。今後さらに漢方診療を充実させていきますのでお知らせいたします。
 大学病院に漢方外来があるのは意外に思われる方も多いかもしれませんが、近年多くの大学病院や中核病院において、正式な診療科として漢方外来が設置されています。また多くの専門領域で漢方薬治療の知識や見識が深まり、ガイドラインに治療の選択肢として掲載される疾患も増えつつあります。漢方診療のカバーする範囲は極めて広く、診療科で言えば内科・産婦人科・整形外科・精神科・小児科・耳鼻咽喉科・感染症科・皮膚科・歯科等、また病気に至る前段階(未病)で介入する予防医療・体質改善にまで及びます。
 高齢化及びストレス社会の日本で、患者さんの症状を緩和することは疾患を治療することと同じくらい重要です。症状緩和を中心に考える漢方医学と疾患治療中心の西洋医学は相反するものではなく、お互いが補い合ってこそ、患者さんを病んでいる臓器だけではなく、いついかなる場合であっても、あくまでも病をもった人間として包括的に見ていこうという全人的な医療が実践できるものと思います。特に日本は、西洋医学の医師が漢方診療も行うことのできる世界的にも唯一の国であり、両者の良いところを取り入れて保険診療ができるという基盤もしっかりしています。
 当院漢方外来では、外科系及び内科系の専門医が診療に携わり、大学病院という強みを活かして関連診療科と連携し、適切な診療を提供いたします。漢方診察は※四診(望診、聞診、問診、切診)という診断方法で行いますが、必要に応じ西洋医学的検査も行います。漢方薬はエキス剤(細粒、カプセル、錠剤)を用い、病態によっては西洋薬も併用いたします。病歴や治療歴が重要となりますので受診の際には紹介状を持参していただけると診療がスムーズとなります。お困りの症状があれば、是非ご利用ください。

   


※四診(ししん)

・望診(ぼうしん):視覚による患者さんからの情報収集。全体を観察し、肉付き、

骨格、顔色、皮膚の艶、特に舌の状態などを診る。

・聞診(ぶんしん):聴覚と味覚からの情報収集。発語が明瞭か、応答がスムーズかなど言語や音声から情報を得たり、咳や呼吸音、腸の音などを聴診する。

・問診(もんしん):患者さんやご家族などから病歴、主訴、家族歴など症状や経過を聴取する。患者さんの生きた言葉を上手に引き出し、診療録になるべくそのままの言葉を記載する。

・切診(せっしん):医師が直接患者の身体に手を触れて診察すること。脈診では、脈拍不整脈だけでなく、脈の強さや深さなどもみて、今の状態を判断する。腹診ではお腹の力やお腹の張り、押して痛いところがないか、動悸が触れるか、腹筋の緊張などを診る。

 

◆問い合わせ先

電話:0853-20-2381(内科系)

   0853-20-2384(外科系)