当院では、外来患者さんの薬物治療をフォローアップするための１つの方法として、服薬情報提供書（一般に「トレーシングレポート」とよばれる）を用いています。外来受診された患者さんに当院薬剤師が面談をして、必要な服薬指導を実施します。その際に、フォローアップが必要な項目をチェックリスト形式で記載した、トレーシングレポートを保険薬局薬剤師あてに作成し、フォローアップを依頼します。保険薬局では、次回受診までの適切な時期に患者さん宅への電話や来局時の面談により、服薬状況の確認や副作用モニタリングを実施します。その結果を、トレーシングレポートに記載して当院へ返信するという運用を行っています。当院では、受領したトレーシングレポートの内容を主治医や薬剤師が確認して、次回来院時の処方や服薬指導に活用します（図）。

　このようなトレーシングレポートは、様々な診療科と薬剤部で協議してそれぞれの疾患領域別に専用のシートを作成しており、現在、周術期管理、糖尿病、緩和ケア、吸入療法、がん、炎症性腸疾患および関節リウマチの領域について運用を行っています。

　当院薬剤部では、病棟薬剤業務、薬剤管理指導や退院時薬剤情報管理指導といった入院患者さんへの薬学的ケアとともに、外来患者さんの薬物治療についても、今回、ご紹介したように保険薬局薬剤師と連携し、垣根を超えた継ぎ目のない連携を進めてまいります。

   

◆問い合わせ先

薬剤部薬務室　電話：0853-20-2463