公開日 2023年03月07日
センチネルリンパ節とは、腫瘍からリンパ流が最初に到達し、最初に転移を形成するリンパ節のことです。このセンチネルリンパ節を特定、摘出し、転移の有無を調べる一連の検査をセンチネルリンパ節生検と呼びます。
センチネルリンパ節生検は乳がんの手術の際に行われ、センチネルリンパ節への転移なしが確認できれば、それ以外のリンパ節にも転移がないと考えられるため、腋窩(えきか)リンパ節郭清(かくせい)といった乳房周囲のリンパ節の切除を省略することが可能であり、標準治療となっています。腋窩リンパ節郭清が省略できれば、腋窩郭清により起こる術後の腕のむくみを予防することもできます。
センチネルリンパ節を見つける方法には、色素法とラジオアイソトープ(放射性同位元素)法の2種類があり、色素またはラジオアイソトープを、乳がんの近くや乳房のリンパ組織の豊富な部分に注射し、それらが最初に流れ着き色素で染まったリンパ節を摘出し検査します。両者の併用法が推奨されていますが、今回機器更新した「ネオプロ―ブ」は腫瘍付近に投与した放射性医薬品のガンマ線を検出する装置で非常に感度が高く、放射性核種の経路の追跡や集積部位の確認が容易にできることから乳がんに対する手術精度のさらなる向上が期待されます。
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乳腺・内分泌外科 外来 電話:0853-20-2384