島根発!画期的ネジ形状を搭載した新型人工骨ネジ 

公開日 2023年04月26日

 骨折治療では、体内で次第に骨へと置換される素材で出来たネジも一部で使用されます。これを人工骨ネジと呼びます。このネジには抜かなくて良い、また、CTやMRIなどの画像検査を妨げないといった利点がある一方で、強度が低く折れ易いという弱点がありました。
 そこで医学部整形外科学講座は2017年度から県の研究機関である島根県産業技術センターおよび人工骨ネジ製造販売企業である帝人メディカルテクノロジー社(大阪府)と共同開発を行いました。
 開発ポイントは①低いネジ山(ネジのギザギザ)、②逆傾斜のネジ山、③小型のネジ頭、という3点で、既存のネジとは異なります(図1)。①と②により、既存ネジより3割程強度を増しつつ固定力を維持できます。また③により骨表面からの突出を抑えます。このような人工骨ネジはこれまで実例がなく、全く新しい画期的な医療用ネジです。
 2021年6月に薬事承認され販売を開始し、これまで県内の医療機関で実臨床を重ねてきました(図2)。在庫や専用機材等と準備を終え、2023年度からは全国の主要医療機関へ販路を拡大します。島根発の人工骨ネジが多くの患者さんの治療に役立つ事を期待しつつ、更なる改良を目指し、日々研究を続けています。


    

       

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