消化管がんおよび頭頸部がんに対する内視鏡治療 ~麻酔科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科とのコラボレーション~

公開日 2023年05月18日

 検診で発見される消化管がんの多くは早期がんであり、その多くが内視鏡的切除で治癒します。しかし、食道のように管状で内側の空洞が狭い臓器や、サイズが大きい腫瘍では内視鏡的切除が難しく、合併症も多くなります。
 そこで、現在当院では麻酔科と手術室のスタッフと協力し、難易度の高い内視鏡治療症例は全身麻酔下で行っています。特に食道がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:より大きな病変を確実に内視鏡的切除できる術式)の多くは、全身麻酔で行っています。これにより全身管理を安心して任せられるため、内視鏡医は治療に集中することができます。切除速度も静脈麻酔と比較して1.5倍と速くなり、これまで切除部位の消化管壁に穴があいてしまう穿孔(せんこう)などの合併症を認めていません。
 また、静脈麻酔ではできなかった浸水下での食道ESDも可能となりました。病変の粘膜下層に生理食塩水などを注入し病変を浮かせた状態にすることで、切除する層が厚くなり、食道筋層の熱変性を予防できるため、治療後の食道狭窄の予防にも役立っています。
 さらに最近は、咽頭がんや喉頭がんに対する内視鏡治療も積極的に行っています。耳鼻咽喉科・頭頸部外科の先生に術野を作って頂き、消化器内視鏡医が病変を切除する合同手術(ELPS)は2022年度の咽喉頭がん手術件数の半数以上を占めるようになりました。
 各診療科の技術を集結して一人の患者さんの治療を行うことで、安全で精度の高い内視鏡治療を行っています。  



◆問い合わせ先

光学医療診療部 電話:0853-20-2414