公開日 2023年05月25日
医療の進歩により小児期発症の慢性疾患患者さんの多くが成人期を迎え、成人期特有の病態が出現する患者さんが増えてきました。小児診療科と成人診療科では、診療体制だけではなく、患者さんとの関わり方や社会制度の違いなど様々な違いがあり、ライフステージの変化に伴って必要な医療や福祉の支援体制も変化するため、成人後も小児診療科だけで診療を続けることは、最良の医療を提供出来ているとはいえません。そのため、近年移行期医療の重要性が指摘されるようになってきました。
当院の難病総合治療センターで2022年7月から移行期医療ワーキングを発足し議論を重ね(写真1)、2023年4月より移行期医療支援を開始いたしました。10歳を目処に移行期医療リーフレットを配布し、その後中学入学を目処に自律支援を開始し、高校卒業と共に成人診療科へと移行することを目指しています(図1)。
また、今回のワーキングの大きな目玉の一つは医学生の参加です。特にリーフレットの作成に関しては医学生が中心になって作成し(写真2)、病院のシステム作りに学生のうちから加わることで、将来の島根の医療は自分達が担うという気概につながっていくことを期待しています。
ワーキングは今後も継続し、更に充実した移行期医療支援体制になるよう努めてまいります。
◆問い合わせ先
難病総合治療センター 電話:0853-20-2196