安全・安心な手術のための横断的チーム医療について

公開日 2023年09月25日

 当院では、安全・安心な手術の提供のため「手術支援センター」を設置し、横断的なチーム医療による手術合併症の低減に取り組んでいます。

 チーム医療の一例として、産婦人科の例をご紹介します。
 骨盤内の高度癒着の疑いがあり、出産時に大量出血の可能性が極めて高い帝王切開予定の妊婦さんに対して、産婦人科だけでなく、麻酔科・心臓血管外科・外科・泌尿器科・高度外傷センター・放射線科の医師、看護部・MEセンター・輸血部・医療安全管理部のスタッフが集まり、出産方法についての検討を行いました。これだけのスタッフが集まったのは、体外循環(生体内の血液を生体外の機械装置内に導き、何らかの処置を施したのち再び生体内に戻す血液循環回路を用いる治療手段の総称)でのサポートを必要とするかもしれない大きな出血が予想されたためです。 
 検討の結果、予定手術ではなく緊急帝王切開での出産となりました。検討していた手順通りに、各部署が連携して脊椎麻酔・尿管ステント留置・内腸骨動脈閉塞用バルーン留置・大腿静脈からの中心静脈確保などの処置を実施し、手術は無事成功しました。
 術後、スタッフにて症例の振り返りを実施し、今後の改善点についても検討しました。今回の経験により、これまで症例ごとに若干の差があった出血が予想される帝王切開の準備を、より具体的に統一することができました。
 
 手術支援センターでは、今回のような症例に限らず、出血が予想される症例の術前検討・手術中のバックアップ・サポート、出血時の止血のお手伝いを実施しています。今後も関係各部署と連携し、当院での「安全・安心な手術の提供」に努めてまいります。


手術支援センター


お問い合わせ:総務課企画調査係 TEL:0853-20-2531