公開日 2023年11月13日
IVRとはインターベンショナル・ラジオロジー(画像下治療)の略で、X線透視やCTなどの画像診断技術で身体の中を見ながら、体内に細いカテーテル等を挿入して行う検査や治療のことです。
X線透視・撮影装置とX線CT装置が一体となったIVR-CT装置を用いて検査や治療を行うことで、病巣への血流情報や複雑な血管解剖を立体的に把握することができます。IVR-CT装置が更新の時期を迎えたため、より詳細な画像をより低い線量で取得できる新しい装置を導入し、2023年9月より稼働しています(図1)。
従来は194μm程度だった1画素の大きさが、今回の装置では76μmと非常に小さいため、詳細な構造が分かりやすく見え、これまで得られなかった高い空間分解能の画像が表示され、細い血管内に安全にカテーテルを進めることができます(図2)。
また、検査・治療を受ける患者さんと検査を実施する術者の被ばく低減・防護対策も組み込まれています。撮影中にリアルタイムに皮膚入射線量をモニタリングする機能「Dose Tracking System(ドーズ トラッキング システム)」を導入し、患者さんの線量を把握しながら検査を進めることができます。更に、CT 専用の放射線被ばく防護板はガントリと呼ばれる検査部分の開口部にあわせた形状のため、CT 撮影時に発生する散乱線を遮蔽し、術者の被ばく線量低減に効果を発揮します(図3)。
この新しい装置を十分活用し、県内の患者さんに適切なタイミングで必要な IVR 検査・治療を提供できるように、放射線科、放射線部スタッフ一同取り組んでまいります。
◆問い合わせ先
放射線科外来 電話:0853-20-2392