移動型CT装置の導入で手術中のCT撮影が可能に

公開日 2023年12月01日

 当院の耳鼻咽喉科・頭頸部外科において、慢性副鼻腔炎は鼻内視鏡手術を行う代表的な疾患です。副鼻腔は大小の骨と粘膜に覆われた空洞が集まって蜂巣状になっていますが、この空洞の一部またはすべての空洞の粘膜が炎症を起こし、時には膿を産生してしまう疾患が慢性副鼻腔炎です。

 慢性副鼻腔炎の手術では、大小の骨と粘膜に覆われたすべての空洞を開放しなければなりません。しかし、すべての空洞が開放されたかどうかは、これまでは術後にCT を撮影するしか方法がありませんでした。もし開放されていない空洞があった場合は、改めて再手術をする必要がありました。

 
 この度、移動型コーンビーム CT である 「3D Accuitomo M」(写真1)が導入され、手術中に CT 撮影が可能になりました。アーム型になっているため、手術台の上で患者さんに麻酔をかけた状態で撮影が可能で、残存している副鼻腔が見つかれば、その場で再度内視鏡手術にて開放することが可能となりました。
 

 当科では副鼻腔炎の手術の他、耳の手術でもこの移動型CT装置を使用しておりますが、頭部・手・足の手術部位の CT 撮影が可能となっていますので、脳神経外科、歯科口腔外科など頭頚部の領域のみでなく、手や足などの四肢末端でも使用が可能です。


 手術中のCT撮影が可能になったことにより、術中の手術経過・完了の確認、患者さんやご家族への説明が容易になりました。今後も本装置を存分に活用し、よりよい医療を提供できるよう努めてまいります。

 

アーム型CT装置 手術の様子

 


【お問い合わせ】耳鼻咽喉科・頭頸部外科(外来) TEL:0853-20-2390