【研究紹介】再生医療の取り組み~ミトコンドリア病の治療開発~

公開日 2024年02月21日

 当院再生医療センターでは、患者さんの体外で人工的に培養した幹細胞などを患者さんの体内に移植することで、損傷した臓器や組織を再生し、失われた人体機能を回復させる医療を行っています。特に、医学部生命科学講座の松崎有未教授が開発した高純度間葉系幹細胞(REC)を用いた再生医療は、世界でも島根大学を中心に行われています。

 

 この度、このRECがまだ治療法の確立していない「ミトコンドリア病」に対して有効だということが明らかになりました。ミトコンドリア病は、エネルギー産生に重要な役割を果たすミトコンドリアの働きが低下することで発症する病気の総称で、脳ミトコンドリア脳筋症(MELAS)や糖尿病、難聴、頭痛などを引き起こす指定難病です。今回、小児科・解剖学講座(神経科学)・生命科学講座の共同研究で、REC由来の正常なミトコンドリアを、MELASの患者さん由来のiPS細胞から樹立した神経細胞に移入し、神経細胞機能を回復させる細胞実験に成功しました。

 

 今後、研究データを積み重ねて治験を行い、患者さんの治療薬として届けることができるように努力して参ります。
 

RECイメージ

 

 

【お問い合わせ】総務課企画調査係 TEL:0853-20-2531