小児慢性疾患の患者さんの自立支援(移行期医療)について

公開日 2024年03月26日

 小児期に慢性疾患を発症し、長期間にわたって闘病生活を続ける患者さんが当院にも多くいらっしゃいます。小児の患者さんは医師の説明を理解することが難しいため、病状の説明や治療方針の決定などを行う際、そのやりとりが医師と保護者間で完結してしまい、肝心の患者さんがなおざりになってしまいがちです。

 

 近年、医療の進歩により病気を抱えたまま思春期・成人期を迎える患者さんが増えてきました。患者さん一人で病院を受診するようになった際、自分の症状を医師に伝えることができなかったり、服用している薬についての理解がなかったりすると、最悪の場合病気が悪化してしまうことも考えられます。よって、ある程度の年齢になった患者さんには、自身の疾患についてしっかり理解してもらう必要があり、そのためには周囲のサポートが欠かせません。小児期に自立支援(移行期医療)をしっかりと行っておくことは、小児慢性疾患患者さんの将来のために非常に重要です。

 

 そこで、当院難病総合治療センターでは、自立支援への取り組みの一環として、一昨年よりワーキンググループを立ち上げて議論を重ね、自立度を評価するチェックシートを作成しました。昨年4月より運用を開始し、有効性について検証も併せて行っています。

 

 自立支援はどの医療施設でもまだ手探りの状況ですが、当院でも今後さらに充実した自立支援を行っていきたいと考えています。


 

〈移行支援チェックシート(子ども用)の主なチェック項目〉

自分の病名が言える
どんな症状や体調不良があったら受診するのかを知っている
困りごとやわからないことを医師・看護師に相談できる
内服薬は自分で準備し、飲み忘れがないかや足りない時の対処を知っている
外来の予約方法を知っている

子どもの成長イメージ

 

 

 

【お問い合わせ】難病総合治療センター TEL:0853-20-2196