心不全患者さんの退院後の療養をサポートしています

公開日 2024年06月10日

 心不全は、心臓の機能低下によって息切れやむくみなどが起こり、生命を縮める病気です。病院での治療を経て症状が落ち着いた患者さんは自宅療養となりますが、当院循環器内科では、医師、看護師、リハビリスタッフ、管理栄養士、薬剤師、退院支援スタッフなどで構成された多職種チームを結成し、心不全患者さんの療養支援に取り組んでいます。

 

 この度、心不全療養支援の一環として、心不全での再入院を減らすための自己管理ツール「ハートノート」を導入しました。この冊子は、療養指導用に作成されたツールで、心不全についての解説や退院後の注意点などについてわかりやすく記載されています。

 

 心不全が悪化すると水分が体内に貯まり体重増加やむくみが生じますが、体重や血圧・脈拍を記録していても、知識がなければどの数値になったら病院を受診すればよいのか判断がつかず、受診を躊躇してしまう可能性もあります。ハートノートでは、患者さんが日々の体重、脈拍、自覚症状に対して点数(心不全ポイント)を付け、自分の病状を数値で評価することで、患者さん自身で受診の判断を下すことができるようになっています。また、患者の方々がご自身の体調を積極的に把握することで、結果的に再入院を回避できるものと期待されています。

 

 さらに、心不全ポイントを元に「3点以上ならかかりつけ医を受診」「5点以上なら島大病院を受診」といったように受診先も患者さんで判断することができます。地域のかかりつけ医と当院との情報共有も容易になり、地域医療機関との連携強化にもつながります。
 

 また、退院後の仕事への復帰については、島根産業保健総合支援センターや当院の両立支援コーディネーターが、医療状況の説明、職場における配慮事項の提案、必要に応じた職場との調整を行い、治療と仕事の両立を支援しています。

 
 これらのツールを活用し、退院後の患者さんの支援に今後も積極的に取り組んでまいります。
 

 

ハートノートイメージ

 

 

【お問い合わせ】循環器内科(医局) TEL:0853-20-2249