公開日 2024年07月08日
医学の進歩により重症心不全の治療成績は向上しつつありますが、それでも急性心筋梗塞による心原性ショックの死亡率は現在でも30~50%です。そこで、重症心不全治療のさらなる向上・救命率向上のため、この度当院でも重症心不全に対する循環補助装置「インペラ」を導入しました。
インペラは、心臓のポンプの役割を担う左心室に留置するポンプ付のカテーテルです。先端の吸入部から左心室の血液を吸い込み、内蔵された超小型ポンプで血液を大動脈内に送り出すことにより、左心室の負荷軽減・心臓の機能回復とともに、血行が改善することによる全身臓器の機能回復が期待できます。インペラは大腿動脈などの血管から挿入するため、患者さんの侵襲(負担)が少ないのも特徴です。急性心筋梗塞のほか、劇症型心筋炎、慢性重症心不全の急性増悪、開心術後心原性ショックなどが適応となり、他の補助人工心臓や心臓移植への橋渡し的な役割を担うこともできる装置です。
当院では、総合ハートセンター・集中治療部・高度外傷センターをはじめ、各部署が一丸となってこの先進的医療を安全に運用し、患者さんの救命率向上を目指してまいります。
【お問い合わせ】
総合ハートセンター・循環器内科(医局) TEL:0853-20-2249
心臓血管外科(医局) TEL:0853-20-2225