公開日 2024年10月07日
当院の放射線治療科では、がんなどの悪性腫瘍に対して、外部照射、密封小線源治療、アイソトープ治療の3つのアプローチを用いて放射線治療を行っています。
まず、外部照射は、放射線を装置から直接人体に照射する方法です。当院では「ラディザクト」と「トゥルービーム」の2台が稼働しています。ラディザクト(写真1)は高精度放射線治療に優れており、呼吸による腫瘍の動きを追尾する機能を搭載しています。一方、トゥルービーム(写真2)はシンプルな照射から高精度放射線治療まで、幅広い治療が可能です。これらを組み合わせることで、緩和照射から高精度のピンポイント照射まで、患者さんの病状に応じたきめ細かな治療を提供しています。
次に、密封小線源治療は、放射性物質を密封した小さな線源を腫瘍内やその周辺にコンピュータ制御で送り込み、局所的に高い線量の放射線を照射する方法です。県内で唯一当院のみがこの治療を行っています。特に、子宮頸癌の根治治療には欠かせないことから、島根県内外から患者さんが来院しています。
最後に、アイソトープ治療では、放射線を自ら放出する同位元素を体内のがん細胞に取り込ませ、そこから放射線を放出して直接治療します。当院にはアイソトープ治療専用の病床があり、2024年6月からは神経内分泌腫瘍に対するルテチウム-177治療を新たに開始しています。
当科では、多くの診療科と合同カンファレンスを実施し、緊密に連携しながら、全身のあらゆるがん腫に対応できる体制を整えています。
【お問い合わせ】放射線治療科(外来)TEL:0853-20-2002