公開日 2024年11月14日
膵がんは、日本人におけるがんの死亡数で4番目に多いがんです。症状が現れにくく、発見された時点で進行が進んでいることが多いため、予後が極めて悪いことでも知られています。
そのため、膵がんの治療においては早期発見が何よりも重要ですが、最近では画像診断の進歩により、早期発見できるケースが増えてきました。特に超音波内視鏡は、非常に小さな病変まで捉えることができ、現在では膵がん診療に欠かせない検査法となっています。(図1)
また、近年では膵がんの家族歴が重要なリスク因子として注目されています。第一度近親者(親、子ども、兄弟姉妹)に膵がん患者が2名いる場合、自身の膵がん発症リスクは6.4倍、1名の場合でも4.5倍になるとされています。これを踏まえ、当科では家族性膵がんに対するサーベイランス研究(ダイヤモンド・スタディ)を実施しています。この研究では、患者さんの家族歴を調べ、該当する方に超音波内視鏡やMRIによる定期的な検査を行い、早期発見を目指しています。
さらに、当院では最新のCTやMRI設備を整え、万全の検査体制を構築しています。地域医療への貢献を目指し、今後も研究を進めていく所存です。
【お問い合わせ】消化器内科(内科学講座内科学第二)TEL:0853-20-2190