公開日 2024年12月26日
近年、B型およびC型肝炎ウイルスによる肝がんの発症は減少していますが、飲酒や糖尿病が原因の肝がんは増加しています。当院の肝臓内科が中心となり、島根県内の肝がん患者の実態調査を実施したところ、2016年から2021年の5年間で初めて肝がんを発症した954人のうち、40%が糖尿病も患っていることが明らかになりました。
また、日本糖尿病学会のデータによると、2023年時点で全国の糖尿病患者数は約1000万人に達し、今後さらに増加すると予測されています。肝がんの早期発見には腹部超音波検査が有効ですが、すべての糖尿病患者さんに検査するのは現実的ではありません。そこで当科では、糖尿病を診療している医療機関と協力し、糖尿病患者さんの中でも肝がんリスクが高い方々をスムーズに腹部超音波検査に誘導できる体制づくりを進めています。
地元の医療機関と連携し、より多くの糖尿病患者さんが腹部超音波検査を受けることで、肝がんの早期発見が進み、ひいては島根県の肝がんによる粗死亡率の改善が期待されます。
【お問い合わせ先】
肝臓内科(内科外来) TEL:0853-20-2381
肝疾患相談・支援センター TEL:0853-20-2721