公開日 2025年10月31日
10月27日(月)、国立大学病院長会議の会長らによる記者会見が行われ、当院の椎名浩昭病院長が、大鳥精司会長(千葉大学病院長)、髙折晃史京都大学病院長、塩﨑英司同会議理事・事務局長とともに出席しました。
会見では、国立大学病院の意義や役割、経営状況などについて説明があり、「経営改善の自己努力だけでは限界があり、大学病院の機能を維持できない」と窮状を訴えました。
椎名病院長は、地方の国立大学病院の立場から地域医療の現状を紹介しました。国立大学病院の勤務医の給与は都市部や一般病院に比べ全体的に低く、多くの医師が外勤で収入を補っていますが、働き方改革による労働時間の制限で外勤も難しくなり、都市部や一般病院への流出が進んでいると指摘しました。
また、島根大学医学部では、地域医療確保のため、卒業後に県内で勤務することを条件とした「地域枠」制度を設け医師を派遣していることを紹介。一方で、診療科や地域ごとの偏在が顕著で、とくに西部地域では眼科・耳鼻科・形成外科の不足が深刻と述べました。その対応として、オンライン診療や移動支援を活用した医療ネットワーク整備、小児医療の充実、「顔面・頭蓋底治療センター」の設置などにより、若手医師の定着と地域医療の質向上を目指していると説明しました。
物価高騰の影響もあり、当院も例外なく厳しい経営環境にあります。大学病院は先端医療の提供に加え、教育・研究、医師派遣などを通じ地域医療を支える重要な役割を担っています。大学病院が果たす役割を将来にわたって維持・発展させるためには、地域の皆さまのご理解とご支援が欠かせません。地域の皆さまとともに、持続可能な医療体制を築いていけるよう今後も努めてまいります。
会見する椎名浩昭病院長
左から塩﨑英司理事・事務局長、髙折晃史京都大学病院長、大鳥精司会長、椎名浩昭病院長
当日の会見の様子はこちら
(日本記者クラブHPへリンクします)
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