子育てをする上で気になることの一つが「子どもの視力」。
目に良くないと分かっていても、ついスマホで動画を見せてしまったり、気がついたらテレビを近くで見ていたりして、目が悪くなるのでは?と心配する方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな「子どもの視力低下」について話を聞きました。
生まれたばかりの赤ちゃんは視力が完全に発達しておらず、遠くの物はぼんやりとしか見ることができません。成長とともに段階的に発達し、6歳で1.0程度に成長します。現代の子どもたちは小さいころから身近にデジタル機器があり、多種多様な情報や面白い動画、ゲームといったエンターテイメントにあふれています。しかしそれに伴い、子どもの近視は世界的な問題となっており、国を挙げて子どもの近視対策に取り組んでいるところもあります。日本においても小学生の3割以上が視力1.0未満と、近視の低年齢化が問題視されていますが、残念ながら近視を改善するための治療はまだまだ一般的ではありません。
近視には環境的な要因と遺伝的な要因があるといわれ、デジタル機器の普及は環境的要因の一つですが、デジタル機器そのものというより、勉強やゲームをする際に画面に目を近づけて作業をする「近業」という行動が、近視と大きく関係しています。
最近では授業でタブレットを使用する学校も増え、こうしたデジタルデバイスを避けて通ることはできないのが現状ですが、画面からは30㎝以上顔を離す、30分に1回程度は画面から目を離して遠くを見るなど、使用する際のルールを決めるといいでしょう。例えば動画視聴やゲームをする時には、テレビなどの大きな画面の方が距離を取りやすいです。また、スマホなどを習慣的に触らないよう積極的に外遊びをすることや、夜更かしをせずに睡眠時間をしっかり取ることも目のためには大切です。
子どものころは近視の度数も変化しやすいので、定期的に検査をして、その時の視力に合ったメガネでしっかり矯正することも近視を悪化させないポイントです。近視は将来的に目の病気にかかるリスクを高めるため、できるだけ進行させないよう意識して目を大切にしましょう。
しろうさぎ76号より(2024年4月発行)