子どもの口腔ケアは、健康な歯と歯ぐきを育むために欠かせません。でも具体的にどんなことに気をつければいいのか分からないという声も。そこで今回は、子どもの口腔ケアについて気になるいろいろな疑問を、当院歯科口腔外科の皆さんにお伺いしました!
管野/最初の歯が生え始めたら歯磨きスタートです。ガーゼや柔らかい歯ブラシで、軽く拭き取るようにしましょう。
小林/仕上げ磨きは一般的には、8〜10歳頃までですが、自分で十分に歯を磨けるようになるまで続けた方がいいですね。私も娘の仕上げ磨きをしていますが、歯の裏側は磨き残しが多いので念入りにやっています。
竹田/電動歯ブラシの方が良いかとよく聞かれますよね。
松田/普通の歯ブラシでちゃんと磨けるなら、電動歯ブラシを使っても大丈夫だと思います。
小林/うちは両方使っています。電動はヘッドが大きいので子どもの口を磨くのには結構コツがいりますね。歯科医と相談して、年齢に応じた製品を選ぶことが重要です。
小林/乳歯が生え揃う3歳頃からでしょうか。また、永久歯が生え始める6歳頃も、気にして見ておくといいと思いますね。
園山/指しゃぶりは歯並びに影響しますよね。長期的にやっていると前歯が前方に突き出したり、噛み合わせが悪くなったりすることがあります。一般的に、4歳までにはやめたほうがいいと言われていますね。
竹田/指しゃぶり防止グッズなどを使ってみるのもいいですよね。歯並びを直したいのであれば歯列矯正という方法もあります。
小林/矯正歯科の初診は6歳から7歳頃に行うことが推奨されています。例えば受け口とか、物がうまく噛めていないとか、気になる事は何でも歯科医に相談されるといいと思います。
管野/受け口などの顎変形症※については、子どもの頃からの治療を推奨します。噛み合わせの悪さはむし歯や歯周病のリスクだけでなく、あごの痛みや頭痛、肩こりにもつながりますから。指しゃぶりや、ほおづえをつく癖なども、あごが曲がって発育してしまう原因と言われるので注意しましょう。
※顎変形症(がくへんけいしょう)園山/口の中が乾燥すると、むし歯のリスクだけでなく歯並びや歯の健康に悪影響を及ぼすことがあるので、口呼吸は早期に対処される方がいいですね。
松田/常にお口が開いてしまうのは「口唇閉鎖不全」といって、舌や口周りの筋肉が十分に発達していない可能性があります。近年確実に増加しているので、そういう症状が見られるようであれば専門家の指導を受けることをおすすめします。
管野/アレルギーが原因で鼻が詰まって口呼吸になってしまうお子さんもおられますね。その場合はまず、アレルギーの治療で鼻呼吸ができるように改善してあげてください。くちゃくちゃと音を立てて食べるのも、口呼吸が原因の場合があるので要チェックです!
松田/異常がない状態でも、半年に1度、少なくとも1年に1度は定期的に受診してほしいです。
竹田/親子で一緒に定期受診すると習慣化しやすいかも。
管野/むし歯や歯並びだけでなく、口腔粘膜の病気などもありますので、口の中の気になることは何でも歯科医にご相談ください。
気軽に歯の検診、治療を受けることのできる、かかりつけを持っておくことをお勧めします。そのほか、転んで歯を折ってしまったり、口の中をケガしてしまったりした場合には、早急に当院の救急にお越しください!
しろうさぎ78号より(2024年10月発行)