島根大学医学部附属病院

TEL 0853-23-2111(代表)
〒693-8501 島根県出雲市塩冶町89-1
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救急
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病院長挨拶

 平素より病院の運営に関しまして格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 
 島根大学病院は「地域医療と先進医療が調和する大学病院」を理念として、地域により密着した地域完結型の高度医療を実践し、地域の中核病院としての医療提供体制を整備して参ります。そのためには、全病院職員の総力による病院の機能強化が必要です。単独の診療科で困難な症例は他診療科との協力・連携で診療すればより安全で完成度の高い医療が提供できます。診療技術面では、低侵襲なロボット手術は泌尿器科以外にも消化器外科、婦人科、呼吸器外科へと拡大し、脳卒中ケアユニット3床による脳卒中の集学的治療を開始しました。本年4月からは6床に増床し、さらなる高度脳卒中センターの機能強化を図っています。腎移植をはじめとする移植医療、血液悪性腫瘍に対する最先端の「CAR-T 療法」、整形外科の「骨ネジ」を用いた再生医療、あるいは病態生化学の新型コロナウイルスに対する創薬開発など、地域で完結できる安心・安全でかつ高度な医療の実践を継続しつつ、基礎医学との橋渡し研究の臨床応用にも力を入れています。新たに設置した「新興感染症ワクチン・治療用抗体研究開発センター」は、松江キャンパスと出雲キャンパスの連携の象徴であり、次世代ワクチンおよび治療用抗体の社会実装に向けた体制整備を鋭意行っています。一方、医事業務の効率化と患者さんの利便性向上を図るための人工知能(AI)を用いた新たな試みや、入院期間中に行う敷地外訓練としての高次脳機能障害患者に対する自動車運転再開に向けた支援も、地域に根ざす大学病院に求められる取り組みです。

 緩和医療は「都道府県がん診療連携拠点病院」として重要な役割を担うため、緩和ケアセンターと緩和ケアチームの体制強化を行い、在宅緩和ケアとの連携によりシームレスで継続的な緩和医療を実践しています。また、不妊治療の保険収載に伴い、より一層県内拠点病院との連携を強化し、生殖医療の充実化を行います。高齢者医療のみならず、小児疾患に対する医療提供体制の充実化も念頭に置き、山陰で唯一の新生児の開心術が可能な小児心臓血管外科を有する拠点病院として、小児科と連携し先天性心疾患に対する治療を積極的に行っています。

 当院に求められる医療の本質は、「患者さんを幸せにする」ことです。診療支援部門の解体的見直しやBCP(事業継続計画)を通して柔軟な連携体制を整備し、近隣の医療機関と連携しやすい医療体制を求めて、より充実した病診連携・病病連携を押し進めます。「安全・安心な最善の医療」を病院の総力として提供しつつ、地域に根ざす島根大学病院を実践いたします。職員一人ひとりが一歩一歩着実に本質に向かって邁進し、地域に信頼され愛される病院運営を図りたいと考えています。ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 

病院長 椎名 浩昭