診療科長 田邊 一明 教授
当番医がホットライン用携帯電話に直接対応し、救急患者を24時間いつでも迅速に受け入れる体制が整っています。
虚血性心疾患診療では、急性冠症候群、狭心症への経皮的カテーテルインターベンション(PCI)、また脂質異常症などの二次予防にも積極的に取り組んでいます。インターベンション治療学会専門医2名、認定医3名が在籍し、緊急PCIにおいても高度で安全なカテーテル治療を提供しています。
不整脈診療では、ペースメーカや植え込み型除細動器、両心室ペーシング、ループレコーダー等のデバイス植込み(約50 件/年)、心房細動や心房粗動、心房頻拍、発作性上室頻拍、心室頻拍などに対するカテーテルアブレーション(約70件/年) を行っています。
心不全診療では、急性期治療から退院後の再入院予防までの一貫した管理が必要です。当科では毎週心不全カンファレンスを開催し、医師だけではなく、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、医療ソーシャルワーカーなど多職種で集まって協議しています。
循環器診療において「チーム医療」が重要視されています。高齢者の重症大動脈弁狭窄症に対して、2018 年4月より島根県で初となる経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)を実施し、2021 年8月には通算100 例に到達しました。総合ハートセンターとして院内横断的なハートチームを結成し、総力で適応の判断、治療に取り組んでいます。
先天性心疾患の90%は成人となる時代です。小児期から成人期にかけて必要な医療が切れ目なく行える医療体制の整備が必要です。当院は山陰地方唯一の日本成人先天性心疾患学会専門医修練施設として、人材の養成を行っています。診療においても成人先天性心疾患外来を設置するとともに、小児循環器医と移行期医療における症例検討会を定期的に開催しています。