センター長 礒部 威 教授
当院における先進医療の適格性、倫理的妥当性、安全性を管理します。先進医療の実施状況の確認、改善、指導、教育、研修に係る業務を担います。
先進医療とは、公的医療保険の対象にはなっていないものの、将来的な保険導入のための評価を行うものとして厚生労働大臣が定める「高度の医療技術を用いた療養」に該当する、先進的な診断法や治療法です。先進医療は、有効性及び安全性を確保する観点から、医療技術ごとに一定の施設基準が設定されており、施設基準を満たす保険医療機関が届出することで、保険診療との併用が可能となります。十分に有効性や安全性が確認されると、先進医療から公的医療保険の対象になる診療(保険診療)に切り替えられ、医療の進歩に大きく貢献することになります。
先進医療管理センターは、個別患者毎に「適格性、倫理的妥当性、及び安全性の評価」、「実施許可」、「モニタリング」を通じて、先進医療の適正な実施を目指します。
先進医療は、未承認、適応外の検査薬等を使用するが人体への影響が極めて少ない「先進医療A」と、未承認・適応外の医薬品・医療機器の使用がなくても、実施環境や技術の効果等に、特に重点的な観察・評価を要すると判断される「先進医療B」の二つに分けられます。いずれも先進性が高い技術ですので、実施に当たっては高度な医療技術をもつ医療スタッフ、チームが必要です。そのため、当センターでは適正な実施のために、①先進医療実施責任者と実施医師、関係医療スタッフによる開始前確認会議(スタートアップミーティング)、②先進医療実施責任者と実施医師による実施予定患者の適格性のダブルチェック、③個別患者毎の、先進医療管理センターへの事前実施申請・事後モニタリングを実施しています。また、適正な実施を目指し、病院職員に対して先進医療に関する研修会を開催しています。