診療科長 平原 典幸 准教授
ほぼ全ての手術を腹腔鏡もしくはロボットにて行っています。
これらの手術には高い技術が要求されますが、学会が定めた認定医資格を有する医師が4 名在籍しています。この保有数は県内随一であり、高い精度と安全性を両立した手術を提供しています。
【手術支援ロボット「ダビンチ・Xi」を食道癌、胃癌、直腸癌手術に導入】
近年、高い技術が要求される内視鏡手術などの手術を支援するロボットの開発が進み、欧米を中心にすでに医療機器として認可され、1997 年より臨床応用されています。内視鏡外科手術における手術支援ロボットの登場は、従来の内視鏡外科手術よりもさらに複雑で細やかな手術手技を実現しました。また3 次元画像による正確な術野情報を取得できるため、より安全で侵襲の少ない手術が可能となるなど、ロボット支援手術は内視鏡外科手術の利点をさらに向上させうる次世代医療の一端を担う分野として期待されています。
消化器外科では、内視鏡手術が適応となる消化器悪性疾患の患者さんに対して、最先端医療としての手術支援ロボット「ダビンチ・Xi」を用いた消化器外科手術を実施していきます。
【術中腸管血流を視覚的に評価し安全な消化管再建を施行】
消化管再建で重要となるのは組織の酸素化を決定する腸管の血流です。これまでは外科医の主観的評価(血管の拍動や腸管の色調)で判断し消化管吻合を行っていましたが、この方法では縫合不全の危険性を的確に評価できませんでした。しかし、我々は薬事承認された薬剤を術中に投与することでリアルタイムに腸管血流の評価を行い、より安全・確実な消化管吻合を行うことで術後合併症の発生の軽減に努めています。
【炎症性腸疾患(IBD) に対する外科手術】炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎) は内科治療が主体となる疾患ですが、手術が必要となる場合も少なくありません。そのため、当院ではIBD センターを軸として内科と外科が連携し、個々の患者さんに合った最適な医療を提供しています。